浅草生れ、浅草育ちの山内鬼一は、「鮨芳」を営む鮨職人。

好奇心のおもむくまま奔放に広がる一話一話が、意外性に満ちた新発見をもたらす。

学生時代、アイドル視していた女神のような女・今日子と共に、作家・北村直樹が訪れたことのある厚木の古沼で、北村が会社をやめる原因となった秋本道夫の遺体が発見される。

燃えるような紅葉に彩られた晩秋の北アルプス上高地で行われた映画『黒い断崖』のロケ中に、新人女優北川由希の拳銃から実弾が発射された。

老朽化した自動車や家電製品を解体する場所で、車のトランクの中から焼死体が発見された。他殺か、それとも焼身自殺。

六年半前の月蝕の夜、美島夕海の姉・紗月が惨殺された!―夫の明日香井叶ではなく、双子の兄・響を伴い、鳴風荘を訪れた深雪。

女探偵(ウーマン・アイ)・竜崎幸はある日十五歳の少年から「死んだ兄を探してくれ」という奇妙な依頼を受ける。

わが国広告業界の歴史を回顧しながら、一世紀に跨る殺人の謎を解く筆者畢生の大作。

戦争で負傷したヘイスティングズは、旧友の招きにより、閑静なスタイルズ荘で静養することになった。

弁護士の中原と秘書の京子は、6日前、新幹線の車内で毒殺された男の手懸りを求めて、名古屋港から南海の孤島・恩根島に向かっていた。

女性作家ベネットが愛児を急病で失い、ショックで倒れてから何日過ぎただろう。

わたしは、オフィスを間借りしている保険会社から不審な保険金請求の調査を依頼された。

宇治橋での殺人事件。その嫌疑をうけ、被告として法廷に立ったのは、行天珍男子巡査部長だった。

入院患者と恋に落ち結婚退職した鶴来総合病院の元看護婦・神谷奈々の招きで、北海道は札幌へとやってきた脳外科医・柏木陽一は、不可思議な事件に遭遇する。

第15回横溝正史賞佳作。宏壮な屋敷に再現された殺害現場。

第15回横溝正史賞受賞作。巨大な警察組織の中で、個を見失わず放縦に生きる女刑事村上緑子。

その朝、休暇を返上して警察本部に出頭したフィンチ首席警部を待っていたのは、いささか風変わりな事件だった。

フランス革命が全欧を揺さぶり、ロシア船が親潮にのって日本近海を脅やかし、田沼意次の失脚で松平定信が政権の座についた十八世紀末。

早すぎた峰起の行く末を見据えて冷徹な決断を下すアイヌの首長。暴虐と裏腹に内紛を抱えこむ松前鎮撫軍。

高さ二十メートルの柱の中ほどに、紺色のスーツを着た男が吊りさがっていた。

晩秋の能登のホテルの一室で美しい人妻が服毒死した。室内には青酸ソーダ入りの缶ジュースとルームキーが転がっていた。

当たり屋とダライコ屋と拳法家くずれが企てた大胆不敵な誘拐。ノンストップ・ハードボイルド。

創作のエピソード、裏話、時に筆は世の矛盾に対してまで及ぶ、浅見光彦ファンも必読の、感涙、感動のエッセイ集。

博多で史跡調詐査中、浅見光彦は白骨を掘りあてた。死体は、九州進出を画策する流通グループの幹部。

空想は、ぽかりとは出てこない。

釣部渓三郎が“最後の客”として店を出たスナックのママが、その夜から血痕を残して失跡した。

加藤武郎は、その類稀なる体力と判断力、そして登攀の技術で伝説のクライマーとなる。

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。

愛犬家の女は、人をあやめて処分を言い渡された犬と、心中の旅に出る。

ご存知、南条家の双子姉妹。外見は瓜ふたつ、ライフ・スタイルと性格は正反対。

夫を裏切り、妻を捨てた不倫の愛の逃避行―広漠たる砂漠に死を求めて彷徨う女と男の愛の無常を描く長篇。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

綾子が青ひげにさらわれた！三姉妹初の海外篇。

28歳、独身のOLの麻矢子は、ひそかに思いを寄せていた杉野が妻に蒸発されたということを知り、心ときめく。

クィラランは、彼の広大な土地のなかにあるりんご貯蔵用納屋を改造して引っ越した。

新型麻薬の流通ルートを追い、女刑事レノアは捜査を開始した。

春の午後、ひとりの主婦が惨殺された。難航する犯人捜査があらわにする人々の心の奥底にひそむ哀しみと、悦び。

ウィリアム・スタンディッシュは英文学者。義理の祖母にあたる詩人イザベルを論文の対象にする彼は、イギリスに旅立つ。

「エイミー、ショットガンを持ってこい」父の叫び声に驚き、幼いオリバーをその場に残して急いて駆けつけた彼女は、呆然と立ちつくした。

パソコン通信が生みだした幻のアイドル「姫」の正体をめぐって通信仲間は大騒ぎを繰り広げていた。

とがった顎、不釣り合いなほど大きな目、そして細い指…。

元一等航海士・神尾修二が法律事務所の調査員を始めて一年。奇妙な依頼が舞い込んだ。

中学時代憧れていた山岡が、医師として村に帰ってきた。久しぶりの再会をした真紀だったが…。

七夕の飾り付けで街が彩られた平塚の路上で、中年男が変死した。

日下くんは、いまごろ、アイドル・タレントの愛坂レイラと一緒に、ホテルに。

現在、世間で通用している年齢感覚や価値観は、人の寿命が六十歳までの時代のもの。今となっては過去の遺物だ。

殺された若い女性の部屋は、窓やドアが完全にロックされておりごていねいにもチェーンまで掛けられていた。

影山隼人と真柄慎二は八ケ岳登頂の最中、若く美しい遭難者・湯浅貴久子を救出した。

新宿副都心の高層ホテル。

平成六年十一月、日美子は夫の二階堂警視と宝塚公演「雪之丞変化」を観劇、そこで三人組女子大生の一人に死相を見た。

文芸編集者笹谷美緒のもとに、覆面作家飛鳥彰から週刊誌連載の話が持ち込まれた。

覆面作家飛鳥彰の連載「人麻呂の悲劇」が開始された。

謎めいた会館クラブ“レトロ館”。招かれた滞在客は誰もが主人を憎んでいる―。

ニューヨーク、ワシントンDCと場所を変え、生命の危険にさらされ続けたダービーが協力を求めたのは、新聞記者のグランサム。

完璧な美貌に抜群のプロポーション、そのうえ成績はトップクラス。

銀座で宝石店を経営する小田冴子が、お遍路姿で失踪した。

東京・四谷のNホテルの庭園で女性の刺殺死体が発見された。

旅館の婿になるため皆生温泉へ行ったはずの十津川警部の部下、小田刑事が失踪。

深い霧のたちこめる漆黒の海―姿なき『幽霊船長(ゴーストキャプテン)』が舵を取るとき呪われた客船は血塗られた洋上の“密室”に変わる。

わたしはP・K・ディック、SF作家である。わたしの親友のニコラスが、ある日神秘体験を得た。

人は、幸福せになれるのですか。野に咲く花は幸福せであろうか。

あらゆるものを螺旋として捉え、それを集め求める螺旋蒐集家は、新宿のとあるビルに、現実には存在しない螺旋階段を幻視した。

平凡な生活に疲れ学生時代を懐かしく思う清太郎は、往時の行きつけのスナックに足を向けた。

たった3ケ月の刑期を残して脱獄したグレイウルフは、白人とインディアンの混血だった。

本書は、トリックよりもプロットに重点を置いたおもしろいストーリー展開で、今日のトラベル・ミステリーの趣のあるサスペンスに満ちている。

1956年のロサンゼルス。黒人探偵イージー・ローリンズもついに結婚、二人の可愛い子供がいる。

私立探偵のジョン・タナーは、大学の同窓会で二十五年ぶりに再会した親友のセス・ハートマンから一通の手紙を渡された。

小樽、旭中学の校庭に作られた大きな雪だるまの中から、中学生溝口の死体が出て来た。

逃げる女に殺し屋どもが迫った。双眼鏡を握るスティーブンの手に力がこもる。

ガンで入院中の老女を見舞う息子と嫁、可愛い孫。

おなじみの女子大生・亜由美のもとに、高校時代の友人・ゆかりから、結婚式の招待状が届けられた。

都内有数の高級住宅地柿の木坂で、サラリーマン北野友哉の変死体が発見された。

警視庁捜査第一課の棟居弘一良は、高校の同窓会の帰りの電車で、一人の正義感強い青年に出会った。

老女がみつけたひそかな愉しみ、それは暗闇でも像を映す望遠鏡で覗く夜の生態。だが、あの夜以来、それは蔵われた。

無能な上司に不満だらけの鍋島鉄平と社長の愛人に手を出し頭がパニック状態に陥っている網代潤一。

コンピュータのセキュリティ・システムに不備あり。

密かに“切り裂きジャック”に憧れる平凡なサラリーマン・平田正也。

最愛の娘を惨殺された父親の無念。自らの手で犯人への復讐は可能か。

地平線まで雪また雪。花園学園の女子高校生を乗せた列車は、北海道で行なうスキー学校のため白い平原を走っていた。

美貌のミステリ作家の山荘で、芸術家揃いの姉妹を次々と襲う戦慄の連続殺人。

腕は立つがただひとつ、映画好きというのが気にかかる―そう言われていたマフィアの取り立て屋カラブレーゼは、ハリウッドへ乗りこむやメキメキ頭角をあらわす。

鮮烈ハードボイルド。沖縄・万座毛で墜死した父親の遺骨を残したまま、髪の長い女子大生が失踪した。

バークの前に現われた女はベルと名乗った。

鳥取・米子の奥座敷皆生温泉のホテルで女の絞殺体。大阪・伊丹空港ターミナルビルの職員通路で男の刺殺体。

…永島利明は大学の薬学部に勤務する気鋭の生化学者で、ミトコンドリアの研究で実績をあげていた。

盛夏の津軽海峡に新宿柏木署の刑事赤瀬の死体が浮かんだ。

岬の突端にある「愛の鐘」を鳴らすと、恋が叶うという、西伊豆の名所・恋人岬の駐車場で男の惨殺死体が発見された。

ルポ・ライターの失踪、怪文書、東京都知事狙撃事件…。

美しい女子生徒の失踪、化学実験室の盗難事件と終業式を前にあいつぐ不祥事に校長は頭を悩ませていた。

どうしてこんな物語を思いつくのか見当もつかない。そんな小説はお好きか。

ブルーで統一された、薄暗い海底をおもわせる部屋。野衣が真珠占いをする部屋とまったく同じだ。

男を惑わせる魅力的な女、謎めいている、頭のよい、決然としている女、むろん、残忍、冷酷、意地悪でもあるけれど、それでも人は、胸をときめかせてしまう―そういう女が悪女である。

日本列島の下で、何かが起こっている。